堀江貴文『ゼロ』を読んで。
大学生になったぼくは今まで、ずっと働きたくなかった。
高校生までは働かなくても許された。勉強さえしていればそれでよかった。
今年4月、大学生になった。コロナウイルスもあって学校に通うこともなく、家に引きこもっていた。
受験から開放され、家で好きな勉強ができ、好きな本を読み、好きなときにご飯を食べる毎日は幸せで、ずっとこんな日々が続けばいいと思っていた。親からバイトを始めるよう言われても、ぼくはコロナを言い訳にずるずる家にひきこもっていた。
ある日、大好きな本を買うため近所のブックオフに行った。210円均一のビジネス書コーナーで一冊の本を買った。それが『ゼロ』だ。
聞いたことあるタイトルの本がこれしかなく、他に興味を引く本もないため、この本を買い、すぐに読んだ。
あっという間だった。堀江貴文さんのイメージがガラリと変わるとともに、ぼくは切実にこう思った。
働きたい。
この本は堀江さんが自らの人生を振り返るとともに、その信条や労働観について書いたものだ。働いて自立することの意味、おカネよりも大切なものなど、堀江さんの働くことに対する姿勢が伺える。
この本をよんで、ぼくは素直に働きたいと思った。ぼくも働いて自立して、成長したいと思った。
さっそくタウンワークで3つのアルバイトに応募した。スーパーと家電量販店と塾講師。家電量販店はすぐ不採用になってしまったが、残りの2つは今の所採用されそうだ。
ぼくはこれからの労働を通して、自分の生をより豊かにしていきたい。
「はたらこう。」
この言葉で締めくくられるこの本に出会ったのは、単なる偶然ではない気がする。
まだ働いたことのない今の自分は「ゼロ」だ。これから一歩一歩、イチを足していこうと思う。